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静岡の名門・富士CCと姉妹提携した夏泊ゴルフリンクス 有意義なお付き合いがはじまった

武藤一彦コラム

2021.12.29

2021年秋、夏泊ゴルフリンクスは静岡・御殿場の富士カントリークラブと会員相互の親睦を図る姉妹提携を結んだ。今夏、富士CCの方々が夏泊を訪れた折、交流、提携の話が起り、とんとん拍子。秋には、夏泊の海老原社長、理事の山本幸路プロと理事長の筆者が富士CCを訪れ締結に到った。

2021年、青森の冬は例年になく降雪が速く、雪さえなければ2,3月でもプレー可能な好環境は望むべくもなく、この冬、メンバー諸氏、諸嬢にはストレスのたまる季節。そこで、一足伸ばして富士を仰ぎながらのゴルフ旅行はいかが?海外旅行とは一味違って、また楽しからずや。誘いあってでかけてはと推奨する次第です。

この秋、締結に訪れたときクラブハウス食堂から臨んだ富士に息をのんだ。富士が西から東の広大な裾野をすべてさらしその上に富士の偉容がデン!と現出されていた。私たちは箱根を背にしてその姿に圧倒され息をのんだ。雪の山頂が富士の顔なら両手を“ハの字”に広げ裾野を抱き込んだ山容は御殿場の町をすべてふところに納めた巨人が胡坐(あぐら)をかいて座る姿に見え、これまで見たこともなかった富士山となっていた。その全体像を見るためには最大限、左に顔をねじりさらに東の端まで右へと首を振さないと見切れない一大スケール。富士山を中心に左は関西、右は関東、その間、目線を上げると雪を抱く偉容である。

富士山は 遠くにありて 思うもの、という句があるが、それまでは見ていた富士山は遠すぎた。逆に登山したときは近すぎ、見たものは下界と足元のがれきばかり。だが、この日、箱根山を背にして眺めた、裾野に根付いて覆いかぶさるように座った姿は圧倒的だった。ちょうどいい距離感に初めて富士を実感したものだった。

富士と名の付くコースは裏側の山梨県も含め日本に40数コースもある中、富士カントリーは開場日では5指に入る名門。設計は日本ゴルフ草創期の伝説のアマ、赤星四郎。箱根カントリーを4年前に立ち上げてすぐ着手1958(昭和33)年開場、18ホール、6637ヤード、パー72。うっそうとした樹木の中の丘陵コース、グリーンはベントのワングリーン。そう、戦略を試され、手ごわく周到な攻略を試されるペナルタイプの高速のワングリーンは夏泊と共通点である。

高島武和社長兼理事長、理事の神谷秀樹氏らとのラウンドは「コースを知らないとこっぴどい目にあいますが、知るほどに味わいの出るコース。富士山が要所で姿を見せ慰めてくれますから頑張って」と励まされ、46,49の95。夏泊で毎回味わう向上心と闘争心プラス自己憐憫、嫌悪とないまぜになった感情にさいなまれたが、「コースを知ってからが勝負」と次回のラウンドに挑戦意欲が募った。

負けるもんかと反骨心を沸かせるコースはいいコース。そんな声が聞こえた。

ゴルフコースは、ゴルファーみんなの広場と勝手に決めている。あの広大なフィールドをメンバーだけが楽しむにはぜいたくが過ぎる。互いに誘い合って姉妹提携、2つのコースを共有できるならそれに越したことはない。冬,富士山で、夏、本州北端の津軽で広さを共有。ゴルフに深みが加わってくる。これからの長いお付き合いが始まる。姉妹コースの提携条件は支配人まで。プレーフィー、宿舎などは両コースで調整済みだ。さらに夏場は富士の皆さんがどっと駆けつける予定。ホスト、どうぞよろしく~と呼びかけたい。楽しいお付き合いが始まった。

ゴルフジャーナリスト・武藤一彦(むとう・かずひこ)

武藤一彦(むとう・かずひこ)

ゴルフジャーナリストとして新聞、テレビ解説で活躍。2005年から夏泊ゴルフリンクス理事。2017年理事長就任。他に日本プロゴルフ協会理事、世界ゴルフ殿堂選考委員などを務める。

1964年報知新聞社に入社。ゴルフは国内ツアーはじめ全英オープンなど世界メジャーを取材。スポーツジャーナリストとしてボストンマラソン、プロボクシングの世界タイトル戦なども取材した。

中でも全英オープンゴルフは1977年、スコットランド・ターンベリーのワトソン・ニクラウスの"世紀の対決"以来、数々の名勝負を観戦。リンクスコースへの強い思い入れと造詣で知られる。
1939年生まれ、東京出身。立大時代はゴルフ部。

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