2014年9月 アーカイブ
白戸由香さん 優勝おめでとう
夏泊ゴルフリンクスがオープンして22年。今年6月には開場記念パーティーを行い、地元、青森県弘前市出身の女子プロゴルファー、白戸由香さんを招き,競技会やトークショー、アトラクションで祝った。ゲストの白戸さんは弘前学院聖愛高時代、ソフトボール選手。日本のトップクラス実業団チーム、日立で活躍後、19歳でプロゴルファーをめざし24歳でプロになった。
プロ入りは1993年になるが、夏泊リンクスの開場が1992年と、そのスタートがほぼ同じ。もちろん地元出身ということもあってトークショーでは「今後、夏泊ゴルフリンクスのアイドル、あるいはシンボルプレーヤー的存在としてぜひよろしく」と長いおつきあいをお願いしたところ「ゴルファーと何より地元の活性化のために」と快く今後の交流を約束してもらった。喜んだコース女子委員会ではさっそく秋の研修会に招請しコーチを依頼すると白戸さんも快諾するなどいい関係が早くもスタートした。
持ち前のパワーでレギュラー時代は屈指のパワーヒッター、2006年の伊藤園レディス2位がベスト、02年日本女子オープンはじめ03年には3回も3位になるなどレギュラーツアーでは3位に計5回。そのため”銅メダルコレクター“といわれた。若手の登竜門、ステップアップツアーでは1999年の穴水工務店カップで優勝、将来の大物ぶりを垣間見せていただけに惜敗続きを惜しむ声は後を絶たなかった人だ。
そんな新しい交流が始まった8月のことだ。うれしいニュースがとびこんできた。女子のシニアシーズンの2戦目「シブヤカップ」で、ルーキーの白戸さん、見事に優勝を飾るのである。
石川県金沢市郊外のシーサイドコース、ゴルフ倶楽部金沢リンクスで行われた「シブヤカップ」。白戸さんは第1日4アンダー68でトップに立つと2日目も68で2位に2打差の単独トップ、最終日を72の通算8アンダーでホールアウト、2位に3打差と圧倒的な強さで優勝した。
ルーキー優勝、大会の初代チャンピオン。白戸さんにとっては実に15年ぶりの優勝に感激はひとしおだった。
「最終日は10メートルをこえる強風、途中雷雨で1時間余の競技中断と試練は降りかかってきた。プレッシャーが何度もあったが、持ちこたえた。ミスを許せない自分とゴルフだからそういうこともあるさといった、ゆとりとの葛藤があった。これまでの経験が無駄ではなかったのかなあ、のりこえられたことがうれしい」
レギュラーと違いコースも6000ヤードを切る長さ。体力があるルーキー、という心身の優位さはあったという。「でもゴルフはそれだけで勝負が決まらないことは一番わかっているだけに、そこを乗り切れてほっとしています」
いま、そのツアー人生が変わろうとしているのかもしれない。
6月のデビュー戦、福岡で行われた「ふくやカップマダムオープン」は2位だった。その時の賞金が90万円。今回の優勝賞金が150万円。レギュラーツアーと比べると決して多い賞金ではないが、計5戦が10月まで行われる。まだツアー数が整わず、賞金ランキングなど制度は整っていないが、白戸さんの獲得賞金240万円は現在のマネーランキング首位だ。「こうしてシニアになっても競技ができる。私も含め出場選手の充実感は試合であう。トーナメントは生きがい。いいプレーを続けて賞金女王になってみたい」
白戸さんにようやく欲みたいなものも芽生えはじめた。
女子ゴルフの人気が若手の活躍で膨らんで久しいが、今回は女子シニアの世界を紹介した。45歳以上のプロの大会「LPGAレジェンドツアー」もほぼ10年の歴史を持つ。往年の名選手が50人から60人、こぞって出場、にぎやかだ。正直いって、ツアーというには試合数は少ないが、「あの人は今どうしてる?」という選手、塩谷育代、?阿玉、村口史子、岡田美智子らが名を連ねて懐かしくたのしめる。ツアーではないが男子シニアと組みアマも一緒のトーナメントもある。日本全国、各地で30人、50人規模の大会も開催されている。ほとんどがアマ選手参加、一緒にゴルフをコースで楽しもうというコンセプトがある。夏泊ゴルフリンクスでも必ず取り組みたいイベントだ。